佐野洋子さんが亡くなってしまった!

3週間続いた撮影も終わり、今日はクランクアップ。 セットで軽く乾杯して、軽くごはんを食べて家に帰ろうと思って、たまたまコンビニで週刊誌をちらっと立ち読みして、絵本作家でエッセイストの佐野洋子さんが、今月の5日に乳がんで亡くなっていたことを知って、ショックを受ける。

5日といえば、クランクインの日で、朝4時半起きとかでバタバタしてたから、ネットのニュースも見てなかったんだった‥‥。あぁ、佐野さん、お会いしてみたかったな。それに、もっとエッセイも読んでいればよかった! もちろん、今からでも間に合うけれど、もう何冊かネットで注文もしたけれど、生きておられる間に読んでおきたかった‥‥! という気持ちになってしまう。

佐野さんを初めて知ったのは、超名作の絵本『100万回生きたねこ』。大人になってからは手元に置いておきたくて買ったのだけど、子どもの頃、図書館にいく度に引っ張りだして読んだことを思い出す。何回読んでも胸がキュンとなるのがクセになり、子ども心にも惹かれてならなかった、あの、独特の世界観。

絵本もさることながら、佐野さんと谷川俊太郎さん(谷川さんも一度でいいからお会いしてみたい人!)が結婚されていたときに、詩を谷川さんが書いて、イラストを佐野さんが描いた『女に ー谷川俊太郎詩集』が私は大好きだった。谷川さんの詩も、詩にピッタリの佐野さんのイラストもすばらしすぎて、読む度に、太古の昔から人間が繰り返してきた生命の誕生や男女の出会いや営みの不思議を偲ばせてくれる、とっておきの詩集。

おふたりが別れてしまったのを知って、残念だなぁとは思ったけれど、こんなに胸きゅんな詩集を生み出してもらえたことが私には有り難かった。詩なんて殆ど読まない私が、この詩集だけは一生モノの感じがして、ときどき(というか、恋をしたときに(照))、本棚からそっと取り出しては読みふけってしまうのだ。

ネットを見ると、佐野さんの最後のエッセイ本『役にたたない日々』に、乳がんで余命2年くらいと言われたこと等が書いてあったのだという。なんでも、お医者さんに治療にいくらかかるか聞いたところ、「ホスピスを入れて1千万円」と言われた佐野さんは、抗がん剤も延命もせず、治療費の代わりに外車を買い、死ぬと分かって人生が充実した、毎日が楽しくてしかたがない、と書いていたのだそうな。なんつーかっちょよさ!! 私も枯れるように死ぬんじゃなくて、最後の最後まで行け行けドンドンでかっ飛ばしたいなぁ!

何よりも哀しかったのは、佐野さんが亡くなったことを友だちに言っても、「え、誰?」と言われてしまい、この哀しさを共有できなかったことだった‥‥。あぁ、佐野さんのエッセイや詩集「女に−」を貸しておくんだった‥‥と思ってしまう。自分の好きな本やDVDは、仲良しにもマメに貸して、私も借りたりして、お互い共感しあえる環境を作っておかねば! と改めて思ったことだった。佐野さん、おつかれさまでした。どうか安らかにお休みください。合掌。