キャスティング作業&ラジオ

このところ、土曜ワイド劇場の特別企画『終着駅の牛尾刑事VS事件記者冴子』の準備で、ずっと休みがない毎日だったのだけど、の決定稿(最終の台本)が上がって、キャスティングもほぼ決まってきたので、ようやくひと安心。

キャスティングが決まるまでは、多いときは1日100回以上電話して、100回以上電話がかかってくるので、フツーにしていても、鳴っていない携帯の幻聴が聞こえるほど。これだけ携帯を使いまくっていると、頭や体に相当電磁波の影響を受けてるような気がするけど、実験台のような世代なんだから仕方がないよなぁと思う今日この頃。

ドラマの準備中、この役、どんな俳優さんに演じてもらうのがいいかな〜と考える作業は楽しいものの、スケジュールが合わなかったりしてフラレ続けると、本当にヘコむ。それでも、ようやくピッタリの方に巡り会えると、いいホンを書いてくださった脚本家さんにも、これから撮影してくださる監督にも喜んでもらえると思い、心の底からホッとして、腰が砕けそうになる。

ただ、いざ出演の話を進めて、ギャランティの交渉をするのは、本当の本当に苦手‥‥。もちろん、ご本人と直接ではなく、所属されている事務所のマネージャーさんとお話するのだけど、それにしても、人様の仕事に値段を付けたりするのはどうにも苦手で、メチャメチャ緊張を強いられるので、いつもギャラの話になると脇汗ビッシリ。特に今は、制作費削減が続く、世知辛いご時世なので、「たいへん申し訳ないのですが、撮影のお日にち(出演して頂く日数)がまとまれば、このぐらいでいかがでしょうか」なんて言ってると、毎回心臓が潰れそうになる。ああ、こんなに心臓に毛が生えてそうなのに、小心のワタシ‥‥。

夕方、うえちゃんのラジオ番組『ごごばん』の金曜日のパートナー、山瀬まみさんが16時からNGだったので、ピンチヒッターとしてちょこっと出演させてもらうことに。
昨日の出演時、失言のポカをしてしまって心がどんよりしていたものの、スタッフさんたちに「人生で失敗したことのない人は一人もいないよ!」と叱咤激励され、スタジオの中に入ると、山瀬まみさんが、はち切れんばかりのニコニコ顔で、開口一番、「てるちゃ〜ん! てるちゃんの本、『キューバでアミーゴ!』、メチャメチャ面白かったよ! あんまり面白かったから、2回読んだんだけど、今、3回目に読み直してるとこだよ〜!」と言ってくださり、胸がジーンと熱くなる。

数ヶ月前に、たった1度しかお目にかかったことのない山瀬さんが、親しみを込めて「てるちゃん」と呼んでくださり、しかも、本まで読んでくださっていたとは! しかも、その、山瀬さんの笑顔は、キューバの本に出てくる、私がアミーゴになったキューバ人、ミネルバやミルトンたちに親しみを感じてくれている笑顔であることが一目瞭然だったので、あぁ、私の本を通じて、エロおもろいミネルバや、ラブ&ピースなミルトンと出会って、予測不可能なラテンワールドを体験をしてくれたんだ〜! と思えて、胸がキュ〜ッと締めつけられてしまったのだ。

山瀬さんのその一言で、情けない自分に嫌気がさしていた、さっきまでの重苦しい気持ちが一気に晴れ、パーッと光が射したような気がした。あぁ、人とかかわることで、仕事も人生も成り立っている。そして、しょげている自分をダークな奈落の底から引き上げてくれるのも、いつも人なのだった。あぁ、人生はなんて人間関係につきることだろう!

私は事務所とかに所属していないので、マネージャーもいないから、本格的な営業とかをしたことがないものの、声をかけて頂くままに、今までたぶん100回くらいラジオに出演させてもらったり、ときどき雑誌等の取材を受けたりしているのだけど、自分でもどうしてこんなことになっているんだろう? と思うことがある。旅が好きで、旅に出たら、毎回すばらしい出会いに恵まれて、こんなチャーミングな人たちに出会ってしまったからには、本を書かずにはいられない気持ちになり、プライベートの殆どの時間を注いで、紀行エッセイや旅番組を作ってきたこの10年。

ラジオでは、なかなか思うように気の利いたことが言えなかったりするけれど、この世界には、いろんな国のいろんな価値観の人たちがいて、いろんな人がいるからこそ、この世は豊かだということを伝えさせてもらいたい気持ちでいっぱい。そして、できることなら、一人でも多くの人に旅立ってもらいたい気持ちでいっぱい。旅先の国で、ひとりでも大切な人ができたら、その国が他人事ではなくなって心がボーダレスになり、少しでも平和な世の中に近づくように思うから‥‥。

私には子孫を残したいという気持ちが無いので、人類の繁栄は人様に託して、生きている間、私で何か役に立てることがあれば、この心と体を全部、一滴残らず使い果たしたい! と思わずにはいられなくなる。神様、こんな私ですが何かの役に立たせてください! と祈るばかり。